がん哲学外来

『多くの人は、自分自身または家族など身近な人がガンにかかったときに初めて死というものを意識し、それと同時に、自分がこれまでいかに生きてきたか、これからどう生きるべきか、死ぬまでに何をなすべきかを真剣に考える』

これは、全国に設置が進んでいる「がん哲学外来」設立者、病理医の樋野興夫氏の言葉です。
患者や家族と接した際、治療に集中するあまり、患者たちの精神的苦痛を軽減させられていないこと、医療現場と患者、患者と家族間の意識にズレがあることに気が付いたそうです。

外来と言っても、予約制のメディカルカフェで、無料で面談を受けたり、患者や家族同士が対話をします。科学としてのガンを学びながら、ガンに哲学的な思考を取り入れていく取り組み。
哲学を通して生きることを学ぶことで、お互いがその瞬間の一番良い接し方を考慮し配慮できるようになれば、良い精神状態で治療に臨めます。

“自分や身近な人がガンだと知ったら、どう受け止めたらいいのか”

昨年、朝日新聞が953人にとったアンケートからも「伝えられたらどうしますか?」という問いに、32%の人が「自分に何が出来るか、どう接してほしいか尋ねる」と回答。私も、良かれと思った声かけや行動が、実際は傷つけてしまうのではないか不安になると思います。『協力したい、でも分からない』
以前のブログで、子どものガン教育について書きましたが、早急に学ぶべきは大人なのです。>>はじまる「ガン教育」

がん哲学外来は、患者さんと家族のみの利用に限られていて予約待ちの状態。2人に1人が罹患する今、誰もが患者になり得ます。そして治療は年単位で続きます。ガンについて学ぶ機会や、サポートをしている人同士が話せる場を増やすことが必要と考えます。
ハセプロでその場を提供出来るように計画したいと思います。

 

オフィスリーダー  熊谷達子