『主体変容』

3月に卒業した神田外語学院キャビンアテンダント科の学生は、航空会社への就職が絶たれました。学生の多くは幼少期に乗った飛行機で、優しくサポートしてくれたキャビンアテンダントに感動し憧れ、常に努力して来ました。しかし、今回のコロナウィルスで航空業界も影響を受け、採用を見送ることになったのです。この辛い現実に、卒業生だけでなく在校生も行き場のない思いにどれほど苦しんだのか想像するに余りあります。
そんな学生たちの心の礎となったのは、講師が伝えた『主体変容』。松下幸之助さんの言葉と言われています。

“周りのせいにしても何も変わらない、変えられるのは自分だけ。自分が変わることで周りも変わる”。

生きていると人のせいにしたくなる出来事がたくさんあります。
自分が悪いのに仕返しや腹いせから起きた事件をよく耳にします。人間誰しも自分が被害者のように思ってしまうことはありますが、それを相手に対して行うというのは人としてとても哀れです。

神田外語学院の生徒さんは「主体変容」を実践しました。
ZOOMで仲間と話し、励まし、共に涙し、また、後輩の相談窓口をつくり寄添ったそうです。
自分の将来が不安な上に家族の心配な気持ちが足かせとなって、人のことなど考えている余裕など無かったはずです。しかし、彼女たちはコントロール不可能なコロナウィルスという険しいフライトから、仲間と後輩の“心の安全を守った”のです。

私も逃げ出したくても逃げられないことが多々ありました。いろんな感情にとらわれて身動きが取れないこともあります。
でも、過去を振り返ってもそこには答えはないので、主体変容を以て自分と向き合い、負の感情を払拭し前向きに生きていきたいと思いました。
それで出したその答えはその時の正解で、新たな私をつくると思うからです。

オフィスリーダー 熊谷達子