お墓の問題

 

最近、中高年の方を中心にご相談が増えつつあるのが、ズバリ「お墓の問題」です。

お墓の問題というと、以前までは、墓地探しやお墓の費用などでしたが、最近の特徴は、お墓の承継者問題、つまり、墓守りする人がいなくなるということです。

ケースは様々で、継ぐ者がいないということはもちろん、子供がいても実家から離れて暮らしており、生涯、帰りそうにない・・・という環境で、お墓の維持管理や檀家としての責任などを考えると、墓守りがかなりの負担となって「承継を拒否したい」・・という方まで出てきているようです。

また、「夫の墓に入りたくない」という奥様も増えています。(NHKの番組リサーチによると59.1%の既婚女性が夫と一緒の墓に入りたくないと回答)

何が正しくて何が正しくないという議論は抜きにして、お墓に対する考え方が今までとは明らかに大きく変わっていくことは確かです。

もちろん、ご先祖様に対する感謝や供養する心は、今を生きる者として大切にしなくてはならないと考えますが、現実的な負担として「墓守り」の問題は加速していくはずです。

東京の一等地にある超ブランド墓地の、青山霊園でさえ、承継者不在で「無縁墳墓」が続出しているとのこと。人口減少が激しい地方はなおさら早い対策が必要ではないかと考えます。

「墓じまい」という言葉をご存知でしょうか?

「店じまい」「仕事じまい」と同様、「しまい」をつけるとその墓を終えるというイメージで使用されていると思いますが、「墓じまい」の場合は単に古い墓石を撤去しておしまい、というわけにはいきません。その墓に入っている先祖の遺骨と魂を取り出して新たな永代供養墓に移すまでを終えるまでが「墓じまい」となるわけですが、親戚とのトラブルや寺院との離檀料のトラブル、役所の改葬許可、墓じまいにかかる費用など、まだまだハードルは高いのが事実です。

しかし、高齢になってから行うとなれば、気力的にも体力的にも、その問題に向き合うことが困難になりますし、次の代に丸投げでは少し無責任な気がします。

核家族化、単身世帯の増加、子のいない夫婦の増加、未婚、晩婚化、離婚率の上昇など、家の永続性が保たれていない社会問題を背に「墓の問題は自分達の代で解決したい」という声が大きくなっている今、終活の一つとして対策が必要だなと感じた方は、どうぞご相談ください。

 

長谷川 健