脳は前向き!!

脳科学者の茂木健一郎氏は「つらい経験を乗り越える力が、脳にはある」と述べています。一般的には、ネガティブな感情を持たない方が良いことはわかっていてもストレスの多い現代では中々そうはいかないのが現実ですが、脳科学的にいうと嫌なことや辛いことが起きてもそこから前向きになるのは可能だそうです。では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。

経験を冷静に振り返る
私達人間の脳には無数の回路がめぐらされており、性格や考え方の傾向などに影響していると考えられています。物事をポジティブに考えられない人の中には、問題に直面した時に「どうせダメだ」「自分はこういう人間なんだ」と決めつけて諦めてしまう人がいます。これを「引き込み現象」といい、それまでの経験によって脳内に「負の回路」ができてしまった状態で脳内にできた回路は消せないため、過去の失敗やつらい経験と似たような状況になると、その回路が働いて前回と同様の思考パターンに入り込んでしまいます。

そのような回路ができてしまっても脳には可塑性があり、ひとつの回路が使えなくなる、あるいは使わなくなった後でも脳の別の部位や回路がその機能を補ってくれます。つまり、思考を「負の回路」以外の回路に切り替えることで嫌なことがあってもネガティブな思考パターンに陥らずにすむそうです。

脳の回路を切り替えるコツ
つらい経験を恨みをもって振り返るのではなく、その経験が自分にとってどんな意味を持っていたかを冷静に客観的に振り返ることを「メタ認知」といいます。経験ときちんと向き合えば負の感情は強まることなく弱まり、経験ときちんと向き合えば負の感情は強まるどころかむしろ弱まっていきます。

前向きな人は「嫌なことがあってもすぐ忘れる」とよく言われますが、脳科学的にいうと前頭葉で切り替えているのではないかとのことです。もし、ストレスが重なった時には自分なりのストレス解消法(カフェで好きな飲み物を飲みながらゆったり時間を過ごす、ウォーキングをするなど)でリラックスして気持ちの切替をすることが大切です。これを茂木氏は「心のプチバケーション」と呼んでいるそうです。

 

 

 

 

 

人は何度でも立ち上がれる最愛の人との死別や心的外傷後ストレス障害などすぐには気持ちを切り替えられないような経験をされた方もいますが、茂木氏は震災で多くを失った方が諦めることなくもう一度立ち上がる姿を見て、究極のポジティブだと思われたそうです。脳は私達が思っているよりもずっとタフで前向きに生きるようにつくられています。その力を最大限に活かしていきましょう!!

保険部 赤井てるみ