隠れ財源400億円~ひとりでは完結できぬ人生~(相続)

亡くなった人の遺産を国が相続する案件、つまり遺産の受け取り手がいない方が年々増えているようです。

例えば、配偶者や子がなく、ご両親やご祖父母も生存しておらず、兄弟姉妹もいない、そして遺言書もないといった場合です。

そうした方々から国が受け取る遺産はなんと!年間約400億円にものぼるとか…。10年前に比べ2.5倍も拡大しており、その大きな要因は、高齢化と未婚率の増加と言われています。さらに今後20年で「子のいない高齢者世帯」は高齢者世帯全体の3分の1まで達するとの予想も出ています。

メディア等では「おひとり様の終活」という言葉を用いて、身寄りのない方に対し生前の対策を促す動きがみられます。実際ハセプロでも甥っ子様・姪っ子様、甥姪のお子様に託される方、または血縁のない方に託したいとお考えの方へのサポートが多くなってきました。

「人間、結局最期は独りだが、独りでは完結できない。」

という言葉を耳にしたことがあります。
最後亡くなるときはひとりだけれど、その後の財産の承継や火葬・納骨、葬儀、供養などは誰かに頼むしかない。一人では完結できないのが人生だ。と教訓のような言葉です。最期まで人の手をかりなくてはならないことにも深い意味があるように感じてなりません。

人生の最期をどう迎え、誰に送り出してもらうか。

日本には、自分の死後、財産の行き先を指定するための➀遺言書、②成年後見、③身元引受・身元保証、④信託、⑤死後事務委任など国が認めた制度があります。

これらを上手に活用し、今から託し手との信頼関係を築いていくことがこれからの相続対策でより重要になってくると考えます。