1804年11月14日、日本人医師の華岡青洲(1760~1835)は、世界で初めて全身麻酔下での外科手術を成功させました。
この手術を受けた患者は乳がんを患っていた60歳の女性でした。
ヨーロッパでは当時から麻酔を用いず手術が行われていましたが日本では患者に命の危険があるとされ行われていませんでした。
青洲はヨーロッパの治療法を知り、日本でも乳がんの手術をしようと試みますが、がんの全摘出には乳房を大きく切除する必要があり、患者の痛みを和らげる麻酔が不可欠であると考えます。
そこで、自身が開発した通仙散(つうせんさん)という全身麻酔薬を使って見事成功させたそうです。
麻酔薬「通仙散」の開発は決して容易ではなく、誕生までに約20年の歳月を要しました。
私は帝王切開も含めると4回手術しましたが、麻酔なしで手術など恐ろしくて考えたくもありません・・・
研究者の方々のおかげで治療が日々進化していくことに本当に感謝します。
ひとりでも多くの方の命が救われますように・・・
保険部 赤井 てるみ