終活を楽しむ!

普段、「終活」というキーワードで活動していますが、2000年を過ぎた頃から「終活」という言葉が浸透し、相続・終活に関するご相談が増えて参りました。ひとことで「終活」と言っても、その内容は、本当に幅が広く、簡単には説明できないのですが、実際に取り組まれた方の事例をお話したいと思います。

Aさん(71歳男性)は、2人の息子さんもそれぞれ家庭を築き、奥様(65歳)と二人で、築34年の持家で年金暮らしをしていました。

ご相談内容は、「子供たちはそれぞれに家を買って生活拠点を作っているのでもうここに住むことはない。私達はこの福島で、このまま老後を満喫していきたいが、いずれ二人とも死んでしまったら、この古い住宅と土地はどうなるだろうか。財産と言えば財産だが、不動産の価値が下がる世の中で、ここに住む予定の無い息子たちにとっては、のちに負の財産になるだろう。現に住んでいる私たちでさえ、2階の部屋を丸々持て余し、庭の草むしりや雪かきなど、だんだんとキツく感じている。住み慣れた地域なので住み心地は良いが、車が無いと不便なところなので、いずれ免許を返したら大変だなと考えている。これからの老後を楽しみつつも、いずれくる最後の事も考えて、息子たちが困らないようにしておいてあげたい・・・」という事でした。

いくつかの提案の中で、Aさんが決めた対策はこうでした。思い切って自宅と土地を売却し、駅近の2LDKの賃貸マンションに住み替えたのです。ちなみに、生命保険は、だいぶ前に、終身型の医療保険とガン保険を組み、葬儀費もきっちり備えており万全です。Aさんは、充実した表情で「次は、墓地の購入と生前戒名かなぁ」と言い、私は「それと、現金で遺る預貯金を誰にどう遺すかを遺言書にしておくことですね」と返しました。Aさんは、「そうなんだよね。面倒くさいけど、やるべきことをやって、老後を楽しみたいから進めてみるよ!」と、自信に満ち溢れた笑顔でおっしゃいました。

終活のイメージは、既に大きく変わっています。人は見えない将来の不安が心配事になる生き物ですが、それを逆手に取り、その不安に自ら向き合い、対策をしてしまうと、大きな安心を持つ事ができ、充実した日々に繋がります。「縁起でもない」という意見もあるかもしれませんが、やればやるほど楽しささえ感じるのが終活。皆さんも楽しい終活&長生きをして下さい。

ちなみに、私は40歳の誕生日に遺言書を作成してあります!

 

長谷川 健

 

※今週9月30日(土)は

福島テレビ サタふく内にて

「長谷川健の福福シューカツ!」生放送!