責任から生き方を問う

皆さんもご存じの「伊能忠敬」。日本地図を完成させた方で、映画やドラマ化しご覧になった方も多いのではないでしょうか。

伊能は少年時代から星に興味をもち、いつかは天文学を学び星の研究をしたいと夢をもっていたそうです。しかしながら、伊能家の立て直しという使命を帯び、18歳で伊能家に婿養子に入ったことで、その夢は心の底にしまわざるを終えませんでした。

その約20年後に伊能の妻が亡くなるわけですが、最後に「これからは、やりたいことをなさってください。」と遺言したそうです。伊能は「ああ。50歳になったらそうさせてもらう。」と答えたといいます。

発言のとおり、家の再興も一段落し、伊能は50歳から天文学の道へ進みました。そうして、1800年に蝦夷地を測量し、地図を作成。残念ながら、地図を完成させる途上に伊能はこの世を去り、志を継いだ部下たちの手によって日本地図の完成に至りました。伊能忠敬の生き方、そして奥様が最後に残した遺言・・・心にくるものがありました。

★自分の「命の使い方」を責任から問う・・・半生を伊能家の再興に、余生を日本地図の作成に。一生のうちに2つの責任を全うされました。私たちでいえば、仕事を通して何を成すか、退職後に何を成すか。自分のため家族のため、世のため人のため、自分の責任と命の時間の使い方を考えたいです。

★「遺言」が残された人の背中を押す・・・最期の言葉というのは、人の心の奥深くまで染み渡るものです。死は必ずやってきます。残された人に何を伝え、何を遺すか。これを決めて逝くことは全ての人に課された責任だと考えます。それは『遺言書』を作成される方のお姿を見て、お話を聞いて、そう教えていただいているように思うからです。

 

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