「相続」は、どんな人に起きるのか?

日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳です。65歳までにお亡くなりになる方はわずか10%ほどです。

では、日本人の「亡くなる確率」は何%でしょうか?・・・もちろん答えは100%です。残念ながら、人間は必ずいつか「死」を迎えます。では、「相続」は、何%の方に起こるでしょうか?

この答えも「100%」です。金額に大小があっても、人が亡くなれば、その人の所有していた預貯金、家、土地、車などが「遺産」となり、誰かが受け継ぐ事になります。これが「相続」です。相続の際にかかる「相続税」を支払うお宅は、全体の5%足らずなのでほんの一部の方の問題ですが、「相続」は誰にでも発生します。

相続の大きな問題に「遺産分割」があります。もちろん、皆様のご家族に限っては、問題の無い話だと思いますが、財産の持ち主がいない中、遺族で財産分けの話し合いをする事自体、ならば、したくない事ではないでしょうか?法律では「皆が平等に」という意味から「法定相続」を決め、相続人とその割合を権利として定めています。しかし、これが時として「不平等」を作ってしまうんです。

例えば、年老いた親の面倒を一生懸命に見て、この先の財産を守っていこうと考えている孝行息子と、家に寄り付かず、お金をせびるような不逞息子がいたとしても、遺産は同じ割合の権利を持ちます。仮に、親が心配して、「全財産を孝行息子に継がせる」という遺言を遺したとても、法律は御丁寧に「遺留分」といって、本来の権利の半分はその不逞息子が受取れることになっています。「遺産分割協議書」を作成するまで、預貯金にも手をつけることが出来ないわけですから、話がこじれてしまいますと、亡くなった方がいくらお金を持っていても、「葬儀費はどうしよう、お墓を作る資金も無い・・。」という事になり兼ねません。これは、故人にとっても不本意なはずです・・・。

生命保険の死亡保険金は受取人固有の財産です。あらかじめ、特定の人に現金を遺せるシステムで「遺言」の役割をなしますので、預貯金や不動産で遺すことよりも効果的です。ポイントは、誰を受取人にするかという事。そして、その保険が「終身」である事です。新年早々、縁起でもない話ですが、誰にでも必ずやって来る事です。フランクな気持ちで充分ですので、まずは向き合う姿勢が何より大切だと思います。

 

長谷川 健