「老前整理」

 

「終活」という言葉がすっかり認知されてきましたが、実際、弊社への終活相談も徐々に増えています。

取り組む内容には、エンディングノート作成、葬儀やお墓の準備、遺言書など様々ですが、50代~80代の方へのアンケートによりますと、終活で1番興味があることは、「不要なモノの整理、片づけ」なのだそうです。

 

2011年に『老前整理』(著者/坂岡洋子)という本が発行されて話題になりました。老前整理とは、元気なうちに自分自身で行なう整理や片付けのことで、ポイントは次の3つです。

 

★一度に片づけようとしない

気合を入れ過ぎると挫折しますので、あまり力まずにとりかかるのがコツ。重たいものや高いところにあるモノを無理して動かそうとして負傷したら本末転倒です。

 

★自分のものだけを片づける

家族のモノまで自分の価値観で片づけてしまうのはケンカのもとです。

 

★「使える」と「使う」は違うと考える

家にある多くのモノは「使えるモノ」。でも、使っていないのであれば、片づけの対象とした方がいいです。使ってくれる人に引き取ってもらう事も考えていきたいです。

 

きっと20年ほど前でしたら、「自分や親の最後を見据えた整理や片付けが必要だ」という発想を持っていたのは少数だったはずです。

最近、整理や片付けが急速に関心を集めているのは、自分らしい最期を迎えたい、子供に負担をかけないようにしたいと考える人が増えた表れではないでしょうか。

私自身もそうですが、年を取ると身の回りのモノが増えるのは仕方ありません。しかし、人間はいつまでも元気でいられるわけではなく、いつか片づけをしなくてはなりません。

自分でやるか、子供など身内がやることになるか、業者に任せるか・・・。選択できるうちに取り組みたいものですね。

 

「終活」は、死と向き合うことですから、縁起でもないと死んだ後どうするかといった話題はタブー視されがちです。しかし、「誰に何を残すか」「何を残し、何を処分するか」を考え、話し合うことは、家族を守るために必要なことであり、責任でもあります。

このお盆期間、親子もしくはご家族で話し合われるきっかけとなれば幸いです。