戒名を生きる指針に…

 

5年前の8月10日。

当時40歳だった私は、菩提寺である鎌秀院の住職から

念願であった生前戒名を授かりました。

 

              興笑院大心健道居士(こうしょういんだいしんけんどうこじ)

~周囲の人々に笑顔や笑いを興し、大きな心を持って身も心も健やかに仏の道を進む者~

 

これが私の戒名です。戒名とは本来は生者の名だそうです。そうだとしたなら、死んでしまってから自分で確認できないのはなんだか損をするような気がしたので(笑)、自分の仏教徒としての名前を生きているうちに知り、これから何十年かの人生を戒名に沿って生きていこうと決め、お願いする事にしました。

40歳の人間につける戒名、しかも本人に直接授けるという事で住職は約3カ月余り、一生懸命に考えて下さいました。住職にとっては少しやりにくかったかもしれませんが、私が安心して任せられる寺院、信頼できる住職だったからこそ手放しでお願いすることが出来ました。信仰する教えはそれぞれですし、各々の価値観が違うので周囲に押し付けるつもりは全くありませんが、これからの生きる指針として名前を授かるというのは何とも言えない充足感があるのは確かです。

死生観を持つという事は、「これからこう生きるぞ!」という新たな目標を持つという事だと思います。大切な自分の人生に責任を持ちながらも、

「せっかぐだがら終活自体を楽しむべ!」

という考えは老後を変えると私は強く感じています。

 

長谷川健